研究ブランディング事業

江戸東京の「ユニークさ」

プロジェクトリーダー教員紹介

小林ふみ子

1973年山梨県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。2004年法政大学着任、2014年より文学部教授。専門は日本近世文学、浮世絵。2004年第29回日本古典文学会賞を受賞。主著に『天明狂歌研究』(汲古書院、2009年)、『大田南畝江戸に狂歌の花咲かす』(岩波書店、2014年)、『へんちくりん江戸挿絵本』(集英社インターナショナル、2019年)、近年の論文に「文政期前後の風景画入狂歌本の出版とその改題・再印―浮世絵風景版画流行の前史として」『浮世絵芸術』179号(2020年)などがある。


研究プロジェクト内容

江戸東京のユニークさとは、何か。

この大きな問題に、私たちのチームは取り組むことにしました。ユニークさとは、珍しさであり、個性です。法政大学ー市ヶ谷・多摩・小金井ーで活動するひとであれば誰でも、学内=東京で多くの時間を過ごしています。「自分たちの居場所・法政が東京にあることの意味を考え、江戸東京の個性を発見する」、それが私たちの研究目的の一つです。

ユニークさとは、長所であると同時に短所でもあります。江戸東京のユニークさを考えることは、この都市の価値を発見し、守り、活用していくことにつながるでしょう。それと同時に江戸東京特有の問題をあぶり出し、解決につながる道を考えることも、大学憲章「自由を生き抜く実践知」をうたう本学の課題です。そして、学外の多くの方々と連携し、江戸東京のユニークさを多面的に研究していく所存です。

  • slide
  • slide
  • slide
  • slide

各年度の年次目標及び実施計画

2017(平成29)年度

哲学者の和辻哲郎は、『風土』の中で、東京を世界の他の都市と比べ「広さのために病める都会の世界的な例」と言い、東京の様々な面を「珍しい現象」として考えています。もっとも、東京の広さは近代に始まったことではなく、この都市が「江戸」と呼ばれていた頃から既にそうであり、江戸東京が広さを誇る大都会になり得たのは、自然条件によるところが大きいのです。自然環境の面から見た近世以前の江戸東京については、2018年1月のシンポジウム「江戸東京の基層/古代・中世の原風景を再考する」を開催しました。

2018(平成30)年度

シンポジウムの成果をもとに、近世以後の「江戸東京の名所・景観研究」をテーマとして設定しました。広い江戸東京には、数多くの名所があります。地誌やガイドブック、名所絵、文芸、地図などに表象された江戸東京の名所の歴史をさぐり、現代東京のユニークさを発見する手がかりを見出していきます。法政大学図書館は、東京都の歴史と地誌類を集めた「江戸文庫」、多摩地域の市町村史等のコレクション「多摩地域資料」「和辻哲郎文庫」など、基礎資料を持っています。当江戸東京研究センターはさらに資料整備をすすめ、江戸東京の名所・景観の特徴を考察します。都市のユニークさを考えるためには、他の都市との比較研究が有効です。『風土』関連のシンポジウム、定例研究会を企画しています。

(平成29年度外部評価及び自己点検・評価等をふまえた内容へ見直し後)
◇年次目標
  プロジェクト共通テーマは、前年度の成果のうえにたって「江戸東京の都市空間の特性に関する研究と〈実践知〉を生かした事業参加拡大」を事業の目標とします。江戸東京の都市空間は、人工と自然の組み合わせ方、自然と一体となった名所・宗教空間・庭園、日本に特徴的な商店街や盛り場の在り方など、とくに西欧都市や他のアジアの都市では見られない明確な特性を備えていると考えられます。2017年度の成果をふまえ、「江戸東京の「ユニークさ」」プロジェクトでは「江戸東京の名所・景観研究」を推進します。
◇実施計画
 「江戸東京の「ユニークさ」」プロジェクトでは、江戸東京の地誌やガイドブック、名所絵、文芸など、文字や絵、写真に表象された江戸東京の名所の歴史をさぐり、現代東京のユニークさを発見する手がかりを見出します。イベント情報の告知や、研究の成果は、HPを用いて動画や文書で公開します。

◇成果指標と達成目標
既に行ったイベント『日本問答・江戸問答』、計画済みの国際研究集会「風土(FUDO)を含め、年度中に6回の研究会ないしシンポジウムを開催します。外部評価委員からのアドバイスを受け、江戸東京のユニークさを項目別に分けて考えるブレインストーミングの会を年度中に一度開催し、中長期計画に生かします。
(平成29年度外部評価及び自己点検・評価等をふまえ,具体的内容を再設定。)

2019(平成31)年度

(以下,平成30年度外部評価及び自己点検・評価等をふまえた内容へ見直し後) 

◇年次目標及び実施計画
  平成31年度(2019年度)の年次目標は、昨年度の名所研究を継承した書籍の刊行、地図の作成に加え、新たな研究テーマ「武都から帝都へ」を掲げ、近世から近代への過渡的な都市の状況に注目した研究活動を行います。評価委員からセンター内外の教員が活動に参画しやすくなるような工夫が必要との指摘を受けました。国際日本学研究所、エコ地域デザイン研究センター以外の大学教員や卒業生の参加を促進するような機会を作ります。
また、昨年度の研究活動から導かれたキーワード「追憶」が評価されたことから、関連書籍の刊行をめざします。 

◇成果指標と達成目標
学内研究会3回、シンポジウム2回実施
書籍刊行1冊
地図作成

(以上,平成30年度外部評価及び自己点検・評価等をふまえた内容へ見直し後)


ページトップヘ