シンポジウム・研究会等報告

2018年1月20日シンポジウム「江戸東京の基層/古代・中世の原風景を再考する」開催報告

  • 更新日:2018年03月02日

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江戸東京研究センターでは、2018年1月20日(土)、市ヶ谷キャンパスの富士見ゲート棟4階G403教室にて、法政大学ブランディング事業シンポジウム「江戸東京の基層/古代・中世の原風景を再考する」を開催した。当日は、本学関係者49名に加え、118名もの一般参加を頂き、学内だけでなく、社会に向けて、当センターの活動を広くアピールする絶好の機会となった。

また、江戸東京研究センターが発足して以来、最初のイベントとなった今回のシンポジウムでは、文系、理系を問わず、本学3キャンパスの教員が結集し、まさに法政大学が一丸となって、会の成功のために一致団結を果たした。今後、ブランディング事業を推進していくうえで、大きな足掛かりを得ることが出来たといえよう。

シンポジウムのテーマ自体も、国際日本学研究所、並びにエコ地域デザイン研究センターのこれまでの研究蓄積をベースとしながら、さらに従来の江戸東京研究の枠組みを広げていくという、法政大学ならではの独自性の高い目的が設定された。こうした点から、本会がブランディング事業のキックオフイベントとしての役割を、充分に果たしたと評価することが出来る。

テーマの詳細は、従来の「江戸東京学」を乗り超えるために、江戸の城下町建設以前の古代・中世からすでに存在し、今の東京のユニークさの源泉となっているこの都市/地域の基層に光を当てることで、その構造を明らかにすることである。研究の対象エリアも従来の江戸東京研究から拡大させ、江戸の市域を大きく超えた地区、例えば東の東京低地、西の武蔵野・多摩へと広げていった。このとき、エコ地域デザイン研究センターが長年取り組んできた水都研究の成果や、国際日本学研究所が試みてきた辺境や内外といった比較の視点が大いに役に立つ。それらを踏まえながら、世界のなかでも独特の性格をもつ巨大都市東京の成り立ちについて、多角的な視点から議論が行われた。

 

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当日は、岩佐明彦教授(デザイン工学部)の司会のもと、陣内秀信教授(デザイン工学部、江戸東京研究センター 初代センター長)の開会挨拶ではじめられた。その後、神谷博氏(デザイン工学部兼任講師)、谷口榮(葛飾区産業観光部観光課)、高村雅彦教授(デザイン工学部)に、それぞれの専門から、江戸以前の武蔵野の状況についてレクチャーが行われた。ディスカッション「江戸に至る古代、中世の原風景」では、陣内秀信教授の司会のもと、上記の講演者に加え、小口雅史教授(文学部、国際日本学研究所長)、小野一之(府中市郷土の森博物館館長)に参加を頂き、新たな江戸東京研究を目指して活発な議論が行われた。

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また、ディスカッション冒頭では田中優子総長(社会学部教授)が、閉会時には横山泰子教授(理工学部)がそれぞれご登壇され、当センターの趣旨についてご挨拶を頂いた。文系、理系の垣根を越えて、まさに法政大学の全学体制をもって、江戸東京研究という特徴を前面に打ち出す、本学のブランディング事業の推進体制が確認された会となった。

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