シンポジウム・研究会等報告

2018年11月9日産業技術大学院大学共催シンポジウム「江戸文化×デザインエンジニアリングの可能性」開催報告

  • 更新日:2018年12月07日

2018年11月9日19時より、法政大学市ヶ谷キャンパス富士見ゲート6階G602教室にて「江戸文化×デザインエンジニアリングの可能性」を開催した。
本シンポジウムは、江戸から東京への改称、東京府開設から150年の節目となる平成30年を記念して、法政大学江戸東京研究センター(EToS)と公立大学産業技術大学院大学(AIIT)の共催として開催された。
シンポジウムの内容は以下の通りである。
 

1.  開会挨拶 川田誠一 公立大学 産業技術大学院大学 学長

公立大学産業技術大学院大学川田誠学一学長からの挨拶によりシンポジウムは始まった。

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2.   「連の江戸文化」 
田中優子 法政大学総長

江戸時代の文化的な特徴として「ものづくり+関係の方法」、「ものづくり+「場」の意味」、「ものづくり+循環」の3つの観点から分析しつつ、人に同一化せず、人と無関係にもならないことに「自由」を見出し、大集団を作らず、個々の繋がりを重視する「連」に焦点を当て、適正規模や流動性の確保、個人の中の複数性の「わたし」としての多名などの「連」の特徴から、様々な小さな集団が複雑に重なり合う「連」の関係と、解体と結び直しという「循環」に基づいて新た思惟技術を生んだ江戸文化のあり方を、様々な図像資料などを基に実証的に検討した。

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3. 「関係性」で磨く新幹線のデザイン」
福田 哲夫 公立大学 産業技術大学院大学 名誉教授

デザインとは美しく魅力的なものづくりを通じて豊かな暮らしを考えることであると福田氏は説明する。アートとの違いは、その中に安心・安全が必要である事と述べる。つまり、かたちや色、素材だけで評価されるのではなく、機能性や社会的なかたちが掛けあわさりできあがる総合的なものをデザインと呼ぶという。
そして、いくつかの具体的な事例を挙げて、氏の理念やデザインプロセスについて発表が行われた。
新幹線のデザインでは目に見えない空力や快適性の問題をかたちで解決した。かたちにより、快適性、機能性、コストまでさまざまな解決を行っている。
その開発プロセスには、田中優子氏の報告する「連」に繋がるプロジェクトメンバーのコミュニケーション力とチームワーク力があると考察した。
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4.  「江戸から学ぶ 関係性・身体性とデザイン」
金箱 淳一 公立大学 産業技術大学院大学 助教

身体によってヒト・モノ相互関係をデザインする事を研究されている金箱氏は、江戸から現代まで続く変わらない身体性について解説を交えながら、研究の一端を紹介し発表を行った。
先祖の暮らしから学び、現在のデザインに活かす事をテーマに江戸時代の文化と氏の生み出した作品との共通性の考察を行う。
氏は行灯の明かりで作業する際の感覚特性や、民家の縁側というコミュニケ−ションツールの役割など、江戸文化によって培われてきた身体性をヒントに、現代的な解釈を行う中で、新たな作品を生み出している事を述べた。

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5.  閉会挨拶
横山泰子 法政大学江戸東京研究センター長

最後に横山泰子法政大学江戸東京研究センター長の挨拶によりシンポジウムは終了した。

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