江戸東京研究センター紹介

センター長挨拶

本研究センターは、2017年度、江戸文学・江戸文化研究の第一人者である田中優子総長(当時)のもと、文部科学省の「私立大学研究ブランディング事業」の採択を受け、設立されました。初代センター長には、長年、イタリアの建築史・都市史を研究し、「水都」の比較研究を推進してきた陣内秀信デザイン工学部教授(当時)を迎えました。そこでは多彩なメンバーが集い、国際的かつ学際的な江戸東京研究が展開されました。

日本の首都である東京のアイデンティティとは何でしょうか。わたしたちは、現代の東京を考えるためには、江戸や江戸以前を下敷きとする独自の歴史を視野に入れることが不可欠であることを提案します。そのうえで、東京らしい近未来像を描くことも必要でしょう。本センターが一貫して目標としてきたことは、次世代に引き継ぐことのできる、持続可能な地域社会の創造を目的とした研究教育活動を推進することであります。

法政大学 江戸東京研究センター
センター長
米家 志乃布(こめいえ しのぶ)

センターによる5年間の研究活動の集大成として、2021年9月にシンポジウム「EToSがつくる新・江戸東京研究の世界」を開催し、さらに研究を発展させるための枠組みを考えるべく議論いたしました。その成果は『新・江戸東京研究の世界』法政大学出版局(2023年1月刊行)として結実しております。さらに、本書での第二部、第三部、第四部をもとに、このたび、センター内の研究プロジェクト・チームを4つから3つへと再編することにいたしました。

「地理情報システムと名所の景観」「江戸東京の文学と都市史」「表象文化と近未来東京のデザイン」の3つのプロジェクトでは、東京都心に立地する法政大学市ヶ谷校地に、理系のデザイン工学部が存在していることを活かし、それぞれのプロジェクトに当該学部からリーダーを選出しました。同じく市ヶ谷校地にある文系学部からリーダーを選出して組み合わせ、文理協働型のプロジェクトとしての研究活動を前面に押し出したかたちになります。

わたしたちは、次の新しいステップを目指し、持続可能な東京の未来を創造するための〈新・江戸東京研究〉を推進いたします。そのうえで、設立当初より担ってきた、国際的かつ学際的な研究教育拠点としての機能を活かし、これからも努力してきたいと考えております。

引き続き、多角的かつ広い視野での研究成果を発信するためにも、関係者皆様のご尽力とご参加を、心よりお願い申し上げます。

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